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読書メモ📝

決算書の読み方

#自分用のメモとして
#設備投資と決算書
#会計

読書メモ
題名【ヤバい決算書】著者 長谷川正人 
1106

参考になった箇所を、備忘録として箇条書きにさせていただきました。

【ジャンル】会計、経営、リスクマネジメント
【特に対象となる方】就活生、経理、会計に興味のある方、起業家志望、経営者、メーカーなどで働く技術者

【シャープに関して】p12~13ページ参考

《業績絶好調の時期》シャープは2007年3月期、2008年3月期と増収増益最高益を更新し続けて、業績絶好調だった

《それから10年後》深刻な経営不振に陥りから債務超過へ。会社が海外企業に丸ごと買収された。

《なぜ》優良企業はどこでつまずいたのか?その兆候はいつどのように表れていたのか?

《分析のために》シャープの10年間の財務データを追って検証

→この10年間を1~6期に分け、各々の時期の数字が何を意味しているかを時系列でみていく

【シャープ 1期】p13 参考
❶2007年3月期に初めて売上3兆円を超え、最高益を更新。

❷翌2008年3月期も売上3.4兆円へと大幅に伸ばす。純利益も最高益を更新し続けた

❸営業キャッシュフローもコンスタントに3000億円を超えた

【シャープ 2期】p16 参考

《好調な業績を背景に、営業CFを上回る強気の大型設備投資》

❶2006年8月に亀山第二工場、2009年に堺工場を立て続けの稼働させた

→《結果》〝投資キャッシュフローのマイナス〟はピーク時の2008年3月期には4000億円に達した
❷《注目すべき点》
この5年間のうち4年間で、〝営業キャッシュフロー〟のプラスを上回る〝投資のキャッシュフロー〟のマイナスになっていること

→《つまり》この5年間もの時期に、シャープは本業で稼いでいる以上のキャッシュを設備投資に使った

《超重要!》大型投資や大型M&Aなどで一時的に〝投資〟CFが〝営業〟CFを上回ることはあっても、〝このような状態が5年も続くのは異例!!!!〟

【シャープ 3期】

《大型投資の失敗が明らかに》

❶シャープ変調の兆しが表れるのは、リーマンショック後の3期

❷〝大型の設備投資〟が行われれば、本来なら〝その後の売上・利益・営業CFの増大〟に繋がるはず。ですが、〝実際にそうなっていない!!!!!!!〟

リーマンショックの影響で2009年3月期には赤字になっているが、その後も〝売上〟〝利益〟〝営業CF〟はいずれの指標で見ても好調時の水準に及んでいない。

→《これが意味することは・・・》〝大型投資が予想したような収益になっていない、つまり設備投資の失敗〟

【シャープ 4期】p18、19
《2年間で9000億円もの純損失で財務体質が急速に悪化》

❶この2年間で赤字が定着した

❷とりわけ深刻なのは・・・2年続けて純損失を出したこと。しかも合計約9000億円もの巨額の純損失。
→この赤字要因の多くは、〝液晶事業〟に関わるもの。つまりそれまでの液晶事業に対する〝大型投資〟が完全に裏目に出たことがわかった時期である。

❸この2年間は〝赤字を主因〟として〝営業CF〟がマイナスということも注意!
→《つまり》2年間〝本業で〟キャッシュが入ってこなかった異常な事態であった。

❹2年間で合わせて9000億円もの〝純損失〟を出したため、〝自己資本〟は毀損された。
→《具体的には》1兆円あった自己資本はわずか1200億円あまりに!
→《自己資本比率は》35.6%から6.0%へ
→《これが意味することは》シャープの経営危機は誰の目にも明らかに

【シャープ 5期】p19、20
《累計1兆5000億円の純損失で債務超過に転落》

❶経営危機に直面したシャープは、〝中期経営計画(2013年~2015年)〟を発表。→しかしその後も業績低迷は続く

❷2015、2016年3月期に2000億円超の純損失の結果、2009年3月以降8年間の〝累計の純損失〟は1兆5000億円に達した。→8年間の累計純損失により、シャープは〝債務超過〟へて転落した

❸2016年3月期末の〝バランスシート〟は〝右下〟が飛び出ている。
→《つまり》債務超過状態が一目でわかる

【シャープ 6期】p20、21、22
《買収で債務超過を解消》
❶2015年3月期末には、〝自己資本比率〟が1.5%まで低下
→《これが意味する事は》シャープの〝自力再建〟が無理なことが明白に

❷シャープ再建のために、有力なスポンサー候補として〝産業革新機構〟が有力とみられていたが、最終的には鴻海が〝支援額を積増〟して逆転勝利する形で買収した。→鴻海はシャープの66%の株式をもつ〝親会社〟になりました。

❸2016年12月から2017年1月にかけて、鴻海とシャープで共同でパネル工場を中国・広州さらにアメリカ、インドで建設する計画が伝えられた

❹経営危機で投資余力もなくなっていたシャープ単独ではこれら大型の投資を行うことは不可能たった。シャープにとってはプラスの面もあるが、かつて設備投資での再現にならないかリスクの管理が必要といえる。

【一般的に設備投資の成功・失敗はどう見分けるか】
❶大型投資(M&Aも含む)が行われ〝当初の目論見通り〟に〝成功〟すれば、投資によって生み出された〝売上〟〝利益〟〝営業CF〟の〝増加〟が見られるはず!これが重要なチェックポイントです。